定時で帰れるようになった、地味すぎる3つの工夫

「未読128件」
——朝、パソコンを開いて最初に目に入る数字が、これでした。

メールだけじゃありません。うちの会社はチャットも活発で、Teamsの通知がひっきりなしに飛んでくる。グループチャット、個別チャット、メンション、リアクション。朝イチで全部追おうとすると、それだけで1時間が溶ける。

しかも、読み終わった頃にはまた新しいメッセージが積み上がっている。

不動産業界で営業サポート、管理、経営企画といろいろな部署を経験してきて、今は売上管理やガバナンスに関わる立場にいます。部門を横断して数字を見たり、各方面との調整ごとが多い仕事です。

この立場になってから、自分宛のメールもチャットも倍増しました。関係部署が多い分、CCやメンションで「念のため共有」されるものが大量に届く。全部に目を通さないと不安だし、でも全部に目を通していたら仕事が進まない。

毎日なんとなく1〜2時間は残業している。でも振り返ると、「この残業って本当に必要だったのか?」と聞かれたら、自信がない。

そんな自分の働き方を、少しずつ変えてみた話です。

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目次

メールとチャットの「消化の仕方」を変えた

最初に手をつけたのは、メールとチャットの扱い方でした。

うちの会社は、メールとチャットが両方走っています。正式な依頼や承認はメール、日常のやりとりや速報的な共有はチャット。この「二刀流」が曲者で、同じ案件の情報がメールとチャットに分散していることがよくある。

以前の自分は、届いたものを全部リアルタイムで追いかけていました。チャットの通知が来れば即座に開き、メールが来れば即座に読む。集中して資料を作っている最中でも、通知が来ると手が止まる。結果、どの仕事も中途半端な状態で夕方を迎えて、そこから残りを片付ける——という毎日でした。

変えたのは、こういうルールです。

チャットを見る時間を、1日3回に固定した

朝イチ、昼、夕方。この3回だけ、まとめてチャットを消化する。それ以外の時間は通知をオフにする。

最初は「すぐ返さないと怒られるんじゃないか」と不安でした。でもやってみると、チャットで本当に即レスが必要な案件は、実はほとんどなかった。急ぎの用事がある人は電話してきます。

当たり前のことなんですが、通知に追われていると、その当たり前が見えなくなっていました。

メールの件名に、相手に取ってほしいアクションを書く

たとえば「〇〇の件について」ではなく、「【ご確認】〇〇の修正版/4/7までにご返信ください」と書く。自分から送るメールをこのフォーマットに変えたら、相手からの返信が明らかに早くなりました。

「何をすればいいかわからないから後回しにする」——これは自分だけじゃなく、みんな同じだったんです。件名で行動を明示するだけで、やりとりの往復回数が減り、メール処理にかかる時間が体感で半分近くになりました。

🌆 以前の自分

通知が来るたびに即チェック。集中が途切れ、どの仕事も中途半端。夕方からまとめて残業。

🌿 今の自分

チャットは1日3回まとめ読み。メールは件名にアクション明記。集中時間が生まれ、17時に仕事が終わる。

地味すぎて書いていて少し恥ずかしいくらいですが、この2つだけでかなり変わりました。メールもチャットも、「全部リアルタイムで追う」をやめるだけで、こんなに楽になるとは思わなかった。

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会議の「出方」と「残し方」を変えた

次に変えたのは、会議との向き合い方です。

自分の立場上、とにかく会議が多い。部門間の調整、進捗共有、数字のレビュー。1日に3〜4件は当たり前で、ひどい日は5件以上。カレンダーを見ると、会議と会議の隙間でしか実務ができない状態でした。

「議事録を共有してもらって、出席を減らせばいいのでは?」

そう考えたこともあります。でも正直、自分のポジションではそれが難しい場面が多い。

なぜかというと、自分の役割は「聞いているだけ」じゃなくて、会議の中で意思決定を促すことだからです。

関係者が集まって、情報は共有されるけど、結論が出ないまま終わる会議。これが一番もったいない。ファシリテーターとして入って、「で、これはどうしますか?」「期限はいつにしましょう?」「担当は誰ですか?」と問いかけることで、会議が前に進む。

だから、会議の「数を減らす」のではなく、「1件あたりの時間を短くする」ことと「記録の取り方を変える」ことに集中しました。

自分が主催する会議は、30分を上限にする

アジェンダを事前にチャットで共有して、「今日決めることはこの3点です」と最初に宣言する。論点がズレたら引き戻す。30分で決まらなかったものは、次のアクションだけ決めて持ち越す。

これだけで、1時間だった会議が30分で終わるようになりました。むしろ、「決めること」が明確な分、以前より決まることが増えた。

記録は、ボイスレコーダー×AIに任せる

以前は会議中にメモを取りながらファシリテーションをしていたんですが、これが本当にしんどかった。話を聞きながら、要点を書きながら、議論の方向を整理しながら——同時にやるのは限界がある。どっちも中途半端になる。

そこで、会議中はボイスレコーダーで録音して、終わった後にAIで文字起こし+要約する方法に切り替えました。

ここで発見があったんですが、AIによって議事録の得意・不得意がかなり違う。

いくつか試した中で、自分の場合はGeminiが一番しっくりきました。

日本語の会議内容をそのまま突っ込んでも、要点の整理が的確で、「誰が・何を・いつまでに」という構造に自然とまとめてくれる。議事録としてそのまま使えるレベルのものが、数分で出来上がります。

これによって、会議中は「ファシリテーション」だけに集中できるようになりました。メモを取る作業から解放されたことで、議論の流れを俯瞰する余裕が生まれた。結果、会議そのもののクオリティも上がったと思っています。

週4〜5時間 会議の時短+記録のAI化で
毎週これだけの時間が浮くようになりました
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タスクの「持ち方」と「共有の仕方」を変えた

3つ目は、タスク管理の話です。

自分はずっと「頭の中で管理する派」でした。ToDoリストは作るけど見返さない。手帳にメモするけど翌日には忘れている。付箋をモニターに貼るけど、気づいたら風景と化している。

全部、昔の自分の話です。

で、ある日気づいたんです。自分が「忙しい」と感じている原因は、仕事の量そのものよりも、「あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ」が頭の中に散らばっていることだと。

脳のメモリが、タスクの管理だけで消耗していた。

朝5分で「今日やること」を3つだけ書く

最初にやったのはシンプルなことでした。朝、出社して最初の5分で「今日やること」を3つだけ書く。3つ以上は書かない。どうしても4つ目が出てきたら、どれかを明日に回す。

3つに絞ると、優先順位を考えざるを得ない。そして3つ終わったら「今日は十分やった」と思える。以前は10個のタスクを抱えて5個終わらせて、「まだ5個残ってる……」と思いながら帰っていた。やっている仕事の量はそこまで変わっていないのに、気持ちがまるで違うんです。

Power Automateで、チーム全体の「朝の迷子」をなくした

ここまでは自分だけの話。でも、自分のチーム全体に広げたくなったんです。

チームのメンバーも、同じように「今日何やるんだっけ」「あの会議の議題なんだっけ」「あの案件の期限いつだっけ」をそれぞれバラバラに管理している。朝イチの時間が、その確認作業で毎日消えていく。

そこで、Power Automateを使って、毎朝チームに自動通知を飛ばす仕組みを作りました。

  1. 今日のToDo(各メンバーの主要タスク) それぞれが登録しているタスクの中から、今日期限のものを自動でピックアップ。
  2. 今日の予定表(会議・打ち合わせの一覧) Outlookのカレンダーから本日の予定を引っ張ってきて一覧化。
  3. 今日の会議の議題(事前共有) 各会議で決めるべきことを、始まる前にチーム全員が確認できる状態にする。

毎朝決まった時間に、Teamsのチャネルにまとめて届く。メンバーはそれを見れば「今日自分が何をやるか」「どの会議で何を決めるか」が一目でわかる。

技術的にはそこまで難しいことではありません。Power Automateの標準機能で、Outlookのカレンダーとタスクリストを引っ張ってきて、Teamsのチャネルに投稿するだけ。ノーコードで組めます。

でも効果は大きかった。

朝の「今日何やるんだっけ」の時間がチーム全体でなくなった。会議の冒頭で「今日の議題は……」とゼロから説明する時間もなくなった。メンバーから「朝の通知、めちゃくちゃ助かります」と言われたときは、素直に嬉しかったです。

自分一人の効率化が、仕組みにすることでチーム全体の効率化になる。
これが「仕組みで動く」ということなんだと、実感した瞬間でした。

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「効率化」って、ツールの話じゃない

ここまで読んで、「え、それだけ?」と思った方もいるかもしれません。

正直、自分でも思います。大規模なシステム導入をしたわけでも、業務フローを大改革したわけでもない。チャットの見方を変えて、会議の回し方を変えて、タスクの共有方法を変えた。それだけです。

でも、これが「それだけ」じゃなかった。

定時で帰れるようになって、夕方の時間が生まれた。その時間で副業のECの作業ができるようになった。家族と過ごす時間が増えた。テトの散歩に余裕を持って行けるようになった。

小さな変化が、生活全体に波及していく。

会社員の効率化って、いきなり大きなことをやろうとするから挫折するんだと思います。「全社DXだ」「AI全面導入だ」——それはそれで素晴らしいけど、その前にやれることがある。

今の仕事のやり方を、ほんの少しだけ変えてみる。
うまくいったら、それを仕組みにしてチームに広げてみる。
それだけで、毎日1〜2時間は取り戻せるかもしれない。

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まとめ:今日からできる3つのこと

自分が定時退社を実現するためにやったことを、改めて整理します。

📋 3つの工夫

① チャットは「1日3回まとめ読み」+メールは「件名にアクション明記」
→ リアルタイム対応をやめるだけで、集中できる時間が生まれる。

② 会議はファシリテーションに集中+記録はボイスレコーダー×AIに任せる
→ 「進行」と「記録」を分離する。議事録はGeminiが優秀。

③ 朝5分で「今日の3つ」を決める+Power Automateでチームに自動通知
→ 自分の効率化を、仕組みにしてチーム全体に広げる。

どれも、派手じゃない。かっこよくもない。でも、確実に効きます。

大事なのは「完璧な仕組みを作ること」じゃなくて、「今一番時間を食っている習慣を一つ変えること」

前回の記事でも同じことを書きましたが、これは本当にそう思っています。

まずは明日の朝、「今日やることを3つだけ書く」から始めてみてください。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。
次回は、この記事でも少し触れた「AIツール」の話をもう少し掘り下げて書こうと思っています。

Geminiの議事録以外にも、地味だけど毎日使っているAIの話を。
よかったらまた読みに来てください。

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この記事を書いた人

建築・不動産系の経営ガバナンス管理をしています。
1人工の作業の効率化、作業の質を向上させたいという思いで
自部署や関係会社の業務改善をしてきました◎

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